[1940年代]ケースの大径化 [1950年代]薄型化の始まり

高橋圭也

2024年02月29日 12:08

1940年代以降に起こった腕時計の大径化。理由はさまざまだが、ひとつは、第2次世界大戦にあったと言われている。戦場に駆り出された兵士たちは、常に時計を見、時間を修正することを強いられた。復員した彼らが、大きくて視認性の高い、センターセコンドのレプリカ時計を選ぶようになったのは当然だろう。

 対してスイスのメーカーは、ケースサイズを拡大。かつて直径30mmが標準とされたケースは、直径35mm近くまで拡大することとなった。ケースの拡大を促したもうひとつの要因は、自動巻きムーブメントの普及である。ローターを載せた自動巻きムーブメントは、どうしてもサイズが大きくなる。自動巻きの普及と、ケースサイズの拡大は、切っても切れない関係にあった。http://www.noobshop777.com/

 対して各メーカーは、大きく厚くなるケースを、できるだけ薄く見せようという努力を重ねた。そのひとつが、ムーブメントの角を斜めにカットするという手法である。これにより、文字盤や裏蓋を大きく湾曲させることが可能になり、ケースサイドを絞れるようになった。